【感想・書評】図解 相対性理論と量子論(PHP研究所):知識ゼロからわかる!

【感想・書評】図解 相対性理論量子論PHP研究所):知識ゼロからわかる!

 

 

『図解 相対性理論量子論』の対象

・知識ゼロから相対性理論量子論について知りたい人

 

『図解 相対性理論量子論』の感想、書評

 相対性理論量子論は20世紀の物理学の二大理論と言われます。
 相対性理論は高校物理ではかの有名なE=mc2(太陽のエネルギーも原子力発電もこの公式に従っています)を扱うくらいですね。時間も空間も絶対的なものではなく、相対的なものである。

 量子論は高校物理で最後のほうに少し扱います。高校物理の波動の分野では光を波としますが、実は光は粒子性も持っている。電子は最初は粒子として習いますが、実は電子は波動性も持っている。
 アインシュタイン相対性理論で有名ですが、実は、ノーベル賞の受賞理由は、高校物理でも出てくる、光電効果という、光の粒子性についての研究です。

 相対性理論は宇宙レベルの話であるのに対し、量子論は微粒子レベルの話です。両極端のように思われる相対性理論量子論が、実はつながっている。
面白いですね。

 『図解 相対性理論量子論』は、相対性理論量子論の基本の基本を、数式をほとんど使わず、わかりやすく解説しています。高校物理の知識すら、ほとんど要らないと思います。

 GPS衛星は、相対性理論による補正をしているそうです。パソコンや携帯電話の心臓である半導体部品の原理は、量子論の上に成り立っているそうです。

 本書は、深遠なる物理学の領域を平易に語り解いてくれる一冊だと思います。

 まず、本書が主題としている相対性理論量子論は、物理学の最前線を画する概念でありながら、その抽象度と難解さから一般の読者には遠い存在であることが多いです。しかし、この本はその壁を乗り越え、一般読者でも理解しやすい形で語られています。これはまさに、我々の世界を理解し、その美しさを享受するための鍵となります。

 物理学の世界は奥が深く、その探求は文字通り無限ですが、同時にその知識は日々の生活の中にも反映されています。例えばGPSの技術や電子機器の動作原理は、相対性理論量子論といった物理学の理論が背景にあると知ると、身の回りのテクノロジーに新たな視点で向き合うことができます。

 物理学に対する深い理解は、そうした技術の仕組みを理解するだけでなく、世界の本質を探求することにつながります。一見、別々の領域に見える物事が実は繋がっているという事実は、我々が生きる世界の神秘と多面性を再認識させてくれます。

 本書はそのような複雑さと美しさを、高校物理レベルの知識さえも必要としない平易な言葉で語ります。それはまさに、読者に対する真心からのメッセージとも言えます。そしてそのメッセージは、物理学への理解だけでなく、広い意味での学びや知的好奇心への探求を促してくれます。

 また、本書を通じて感じられるのは、科学とは人間の好奇心から生まれ、それが具現化した形という点です。相対性理論量子論は、我々が存在する宇宙とその中で起きる現象について深く理解しようとする人間の知的な挑戦の産物であり、その知識を身につけることは、まさに人間としての思索の喜びを味わうことにつながります。

 本書の最大の魅力は、そうした深淵なる知識を身近なものに変えることで、読者一人一人が自身の思考と好奇心を刺激し、自己の成長と探求へと導いてくれることにあると感じます。

 最後に、この本が物理学の難解さを払拭し、その魅力を多くの人々に伝えるきっかけとなることを心から願っています。私自身も今後、この本に学んだ知識を胸に、世界や生活を新たな視点で見つめ直すことができることを楽しみにしています。

  紙の本は絶版かもしれませんが、Kindleで手に入りますね。

 

『図解 相対性理論量子論』の監修者の実績と信頼性

 『図解 相対性理論量子論』は、佐藤勝彦先生という、日本物理学会会長、東京大学理学部長なども務められた、東大名誉教授が監修されています。 
 監修者の実績と信頼性は抜群と言えます。

 

『図解 相対性理論量子論』の監修者の実績と信頼性

 『図解 相対性理論量子論』は、PHP研究所という出版社から出ています。PHP研究所は、パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助さんによって創設された、ちゃんとした出版社です。PHP文庫、PHP新書などから、主に、ビジネス系の本を多く出しています。月刊PHPなど、「生き方」を示す雑誌なども出しています。
 PHP研究所の出版社としての実績と信頼性は抜群と言えます。